2/6 根源の心とは

1/6 幸福になる法則? 平和になる法則?繁栄する法則?←前へ  次へ→3/6 「曾(そ)」の根源・「爾(に)」の絆

人間は誰も自らの意志で生まれてきた者はおりません。しかし、それぞれ人間は、父と母の子供として生命が授けられました。その父と母も又、それぞれの父と母から生命が授けられました。更に父の父の父も母の母の母も又、それぞれの父と母から生命が授けられました。このように一人の生命が授けられる為に限りない生命の連鎖があり、もしもその限りなくさかのぼる生命連鎖が途中で途切れておったならば、その生命の誕生はなかったということになります。従って、一人の生命は単なる生命ではなく、「奇跡の生命」と呼ばなければなりません。その数学的理屈は、いま仮に自身の誕生プロセスを辿ってみた場合、直接の父母が2人、それぞれの祖父・祖母が4人、またその曾祖父・曾祖母が8人・・・と続きます。このように4代遡れば16名の祖先、5代遡れば32名の祖先、6代遡れば64名の祖先・・・と続きます。そして何と27代まで遡れば、現在の日本の人口を超える134,217,728名の祖先が、33代まで遡れば、世界人口を遥かに超える8,388,608,000名の祖先が名を連ねることになります。そしてこの限りなく続く祖先の誰一人でも欠けていたなら、あなた自身も今日その命を授かることはなかったわけであります。

一体、私たち人間の祖先はどこからきたのかという不思議な、いや、神秘としか言いようのない深い謎に包まれます。つまり、人間の生命誕生を辿れば、果てしなく膨大な宇宙の根源にその生命の源泉があるとしか考えようがないわけです。だとすると、宇宙の根源にも生命があり、意思があるということになりはしませんか。だから、私たちが生まれてきた理由は、宇宙根源の意思であり、おのずとその目的があるはずだと理解されます。宇宙根源の力は、森羅万象一切を人間に与えてくれています。だから、このような母なる宇宙根源の慈愛に応える個々の意識や態度が問われるのです。

根源の法則を理解する者は根源の心と繋がります。根源の心を知る事が、おのずと生きる心(精神)の構えを整えることとなり、同時に幸福と平和と繁栄へと繋がるわけです。それは、あたかも草木が土に根を生やし命をつなぎ成長する関係に似ているようです。また、凧が凧糸と繋がっているからこそ、どれだけ強い風の抵抗を受けても自身の位置を見失わず、尚一層勢いよく舞い上がる姿にも似ているようです。つまり、このような関係こそが宇宙根源の力と人間との約束なのだと理解されます。人間はこの約束を忘れて枯れ木とならないように、又、糸の切れた凧とならないように意識する生活態度が何より大切であることが分かります。

このように、人類の存在や宇宙の不思議は、われわれの想像を遥かに超える神秘に包まれています。自身の存在を辿っても、その起源は誠に神秘の一語につきます。また遺伝子学的解明を試みても、その情報組立や配列は人智を遥かに超えた神業にしか思えない規則性をもって成り立っているようです。(*遺伝子学者 村上和雄氏)。

 フランスの有名画家ポール・ゴーギャンも、自身の存在とその神秘に感性豊かな本能的自問を繰り返し、晩年、最も有名となった絵画「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか(1897)」を残しました。(*絵画参照)

 この宇宙を創造せしめた力、人類を存在せしめた力、自然界に絶えず注ぐ理法の力、このような宇宙根源の力の前に人間は全く無力であります。人類の真の平和も幸福も繁栄も、素直な心でこの根源の力との係わりを感知せずしては決してあり得ないことを示唆していると考えられます。それがこの宇宙の真理だからでしょう。 

1/6 幸福になる法則? 平和になる法則?繁栄する法則?
2/6 根源の心とは?
3/6 「曾(そ)」の根源・「爾(に)」の絆
4/6 曾爾「根源の社」の建立
5/6 共感者の輪
6/6 新しい人間観・人間道